第25回 東海若手セラミスト懇話会
2002 年 夏期セミナー開催報告

東海若手セラミスト懇話会
日本セラミックス協会東海支部


去る5月30日・31日の2日間、日本セラミックス協会東海支部東海若手セラミスト懇話会の夏期セミナーが、三河湾を一望する愛知県の三河ハイツで開催されました。今回は記念すべき第25回目ということで、発表内容をポスター中心にアレンジした結果、これが見事に大成功で、近年希にみる大盛況なセミナーとなりました。正直なところ、私が参加した最近のセラミックス関係の学会で一番活気があったように思います。ポスター発表の大半は学生でしたが、「最近の学生は…」と愚痴が出るどころか、「まだまだヤル気十分じゃないか」と感心する程の活発なディスカッションが会場狭しと展開されました。

セミナー開催前は、幹事一同、桜となって質問することを示し合わせていたのですが、そんな余計なお節介は全く必要なく、学生達の熱意にやや押され気味になりながらも、ポスター会場に設置されたアルコールの消費にせっせと努めることができました。この盛り上がりは、アンケートに回答された以下の学生達の自由意見からも伝わってくると思います。「ポスターでは自分の知らない分野についても議論ができ、交流も深まり非常に満足」、「企業や他の大学の人と活発な意見交換ができ、とても良かった」等。本記事を読んで、「よし自分が参加し更に盛り上げてやろう!」、また「本当に盛り上がったのだろうか?」と疑われた方々、次回の夏期セミナーに参加し、自らこの雰囲気を確かめてみて下さい。

また、本夏期セミナーでは招待講演も行っており、今回は、株式会社デンソーの原研究所長「車とハードエレクトロニクス」、豊橋技術科学大学の井上教授「磁性酸化物とフォトニック結晶への応用」、物質・材料研究機構の齋藤主任研究員「自己組織膜テンプレートを用いた酸化亜鉛パターン析出」の、3名の先生に御講演頂きました。基礎から応用、更には商品開発といった幅広い内容のお話で、今後の材料開発に係わる若い技術者・研究者へのエールを含んだ、非常におもしろく、かつ刺激を受けるご講演でした。更に、海外報告として、株式会社豊田中央研究所の谷主任研究員に、スイスでの1年間の留学生活を、リラックスした雰囲気で紹介して頂きました。

最後に、本東海若手セラミスト懇話会の活動を簡単に紹介させて頂きます。本会では、毎年夏に合宿形式の夏期セミナーを、また秋には講演会を開催し、企業、大学、公的研究機関の若手研究者、ならびに関連講座の学生の相互啓発を目的として活動しています。行事開催に当たっては、本セラミックス誌の会合欄等にて、参加募集を行っています。今後の科学技術の発展に貢献するであろう皆さん、是非、本会行事に一度は参加してみて下さい。

*秋期講演会は10月11日、産業技術総合研究所中部センターにて開催予定です。

原稿執筆者:東海若手セラミスト懇話会 副事務局長 大原智(JFCC)


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