[東海若手セラミスト懇話会]
[日本セラミックス協会東海支部]
去る 7月 6 日(木)・7日(金)の 2 日間、日本セラミックス協会東海支部東海若手セラミスト懇話会の夏期セミナーが愛知県の三ヶ根山にあるグリーンホテル三ヶ根で開催されました。今回は過去最高 121 名の参加となりました。招待講演 3 件、テーブルディスカッション 48 件(学生 35件、一般 13 件)、学位論文紹介 1件、海外報告 1 件の発表が行われました。以下、進行順に内容を報告いたします。
1 日目;13:30、定刻通り名工大の井田委員長の挨拶により会が始まりました。その後、名古屋大学の伊藤秀章先生による「創ること、壊すこと」と題する招待講演が行われました。セラミックス材料のリサイクルなど、多角的な視点から詳しくお話しいただきました。また、環境問題に興味のある学生からは積極的な質問が続き、親切にご教授いただきました。
続く招待講演 2 では、東京海洋大学の田中美穂先生に「質量分析計を用いた溶液に関するシリカの溶存状態」というタイトルで、参加者からの質問に答えながらというスタイルで講演いただきました。シリカの溶存状態など、最先端の分析手法から得られる情報などについて紹介いただき、興味深いご講演に活発な議論がなされました。
講演終了後の自由時間には、ホテルの大浴場で汗を流すことができました。少し霧がかった天気ではありましたが、お風呂やお部屋からは三河湾の絶景(→写真)を楽しむことができました。晴れているときにもう一度来たいところです。夕食を兼ねた懇親会では、はじめに本会の創設者でもあります伊藤先生にご挨拶いただきました。過去最高の参加者数ということもあり、とても広い宴会場に参加者がぎっしりとうまり、このようにセラミックスの若手研究者が一同に会していることが素晴らしいとお褒めの言葉を頂きました。料理を楽しみ、会話に華を咲かせ、それぞれに交流を深め、楽しいときはあっという間に過ぎていきました。
テーブルディスカッションに先立ち、ショートプレビューが行われました。発表者はそれぞれ30秒という時間の中で、プロジェクターで映し出される一枚の資料をもとに、自分の研究をアピールしました。 その後のテーブルディスカッションは、ポスターセッションの変形版で,発表ポスター以外に資料その他の展示物をテーブル上に一緒に並べて発表できるようにした形式であり、本会では恒例となりました。48 件もの発表があり、4 グループに分け、コアタイムを設定する形で進められました。また、今回は各自テーブルの前に、当日撮影した写真を貼ることにより、いつでも顔の見える発表となりました。アルコールも入りながら、各所で熱心な議論がなされました。なお、招待講演の講師の先生、井田運営委員長、及び一般参加者の投票により優秀賞 5 件が選ばれました。受賞者氏名、所属と発表題目は、本報告の最後に記すとおりです。その後、場所を2次会場に移し、大勢の参加者で3時半過ぎまで議論は続き、親睦を深めあいました。
2 日目は徳島大学の沼子千弥先生に「生物や生体鉱物に対する非破壊状態分析」と題して、昨晩からのパワーそのままに、はつらつとご講演頂きました。歯などの特定部位に特定の元素を蓄積させる貝の話など、とても不思議で、興味深いご講演でした。もちろん非破壊分析の技術も興味深いものでした。
続いて、岐阜県セラミックス技術研究所の尾畑成造先生に「水系コロイドプロセスによる炭化ケイ素の成形と焼成に関する研究」というタイトルで、研究成果を丁寧に説明して頂きました。SiCに関する興味深い研究成果を多数紹介頂き、学位取得を目指す方にもとても刺激になったと思います。
その後、豊橋技術科学大学の武藤先生に海外報告をしていただきました。一年間のカナダ留学生活をプライベートな話も交えながら、カナダ人のライフスタイル,愛国心、そしてカナダの大自然など、写真いっぱいで、楽しい報告をしていただきました。
最後に昼食を採りながらテーブルディスカッションでの研究発表の表彰があり、委員長賞には素敵な記念品が贈られ、閉会しました。今回の合宿形式のこのセミナーでは、講演会とはまた違った和気藹々とした中で東海地区の若手が親睦を深める良い機会となりました。この場を借りて,次回にも,より多くの方々のご参加を頂けますよう,お願いいたします。
なお、本セミナーの詳細は、東海若手セラミスト懇話会の公式Webサイトである http://www.atyc.org/ でも紹介しております。
森 康武 | 名工大 | 「非鉛系強誘電体を用いた光起電力素子の評価」 |
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黒澤佳弘 | 名工大 | 「非晶質リン酸カルシウム類のたんぱく質の吸着と細胞への影響」 |
吉口 尚 | 名工大 | 「水溶液滴下法によるKNbO3結晶の成長」 |
高井千加 | 名工大 | 「表面改質を用いた粒子分散性の向上と評価」 |
羽切教雄 | 豊技大 | 「顕微インデンターを用いた弾塑性解析」 |
伊藤陽一 | 名大 |
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山本真宏 | 名大 |
前田一樹 | 名大 |
written by 加藤充次(FDK)
写真 会場から三河湾を望む風景 |
2006年7月24日