[東海若手セラミスト懇話会]
[日本セラミックス協会東海支部]
2018年10月19日(金)に名古屋工業大学におきまして、第57回東海若手セラミスト懇話会秋期講演会を開催いしました。(共催:日本セラミックス協会基礎科学部会、日本化学会).
今回は招待講演3件と名古屋工業大学の施設見学というプログラムで開催されました。
1件目の招待講演として、東北大学 林先生より「産学・産学官連携における予算獲得とその重要性-ナノ材料におけるケーススタディ-」と題してご講演いただきました。産学・産学官連携における予算獲得について、講師の林先生の苦労話を交えてお話して頂いた後に、超音波・マイクロ波を利用したナノ粒子の合成に関する研究について、合成プロセス、ナノ粒子の特性および応用展開を中心に紹介して頂きました。
2件目の招待講演として、大阪大学 清野先生より「独自ナノ粒子合成技術を活用した大学発ベンチャーの起業」と題してご講演いただきました。コア技術である、放射線によるナノ粒子の合成方法を説明して頂き、その後、起業に至った経緯、ベンチャー企業での事業内容などを紹介していただきました。また、技術シーズを事業化する際に立ちふさがるいくつもの「壁」について、ご自身の経験をもとに、分かりやすく説明して頂きました。
2件目の招待講演の後、名古屋工業大学 産学官金連携機構 設備共用部門の見学を行いました。見学に先立ち、施設の概要について説明をしていただき、セラミックス材料の研究開発に関連する基盤的な分析装置を中心に見学を行いました。
3件目の招待講演として、東ソー株式会社 山下先生より「透光性エンジニアリングセラミックスの開発」と題してご講演いただきました。講演の冒頭で、企業の視点から見た産学連携の意義および大学の研究者に期待することについてお話していただき、ご自身が開発に携わった高透光性・高強度ジルコニアセラミックスについて紹介していただきました。多結晶体であるセラミックスの透光性に影響を及ぼす散乱源(結晶粒界・気孔)に関して理論的な解析を中心にお話して頂きました。
講演の後は意見交換会を開催しました。大学、企業、研究機関の若手研究者がにぎやかに議論、意見交換を交わしました。併せて、先に実施された3件の講演に対する学生さんの質問の中から、ベストディスカッション賞をそれぞれ1名ずつ選出し、表彰を行いました。今回も、研究の本質に迫る良い質問が多数あり、講師の先生方より高い評価を頂戴しました。次回以降も積極的な議論への参加を期待します。最後に本会が盛況のうちに終わったのも、講師をはじめ、参加者の方々のご協力の賜物と心より感謝申し上げます。
岩崎 亮太 名古屋工業大学 加藤 邦彦 名古屋工業大学 舟橋 由晃 名古屋工業大学 文責:名古屋工業大学 白井孝
写真1 招待講演1
写真2 招待講演2
写真3 招待講演3 2018年11月12日更新
ベストディスカッション賞受賞者(敬称略)
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