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2020年11月6日(金)にZoomを利用したオンライン開催にて、第60回秋期講演会を開催いたしました。(共催:日本化学会、協力:日本セラミックス協会基礎科学部会)
以下、進行順に内容を報告いたします。
今回は、初めてのオンラインでの開催となり、招待講演2件と(株)ノリタケカンパニーリミテドの企業紹介というプログラムで、TKPガーデンシティPREMIUM名古屋ルーセントタワーを拠点として、オンライン参加者に向けて講演を配信いたしました。
1件目の招待講演として、名古屋大学 高見 誠一先生より、「有機分子修飾金属酸化物ナノ結晶の水熱合成」と題してご講演いただきました(写真1)(写真2)。冒頭に酸化物ナノ粒子の具体的な適用先を分かりやすくご説明いただき、有機、無機の複合化による新しい機能を持つ材料の可能性、必要性をよく理解できました。合成例として、流通式リアクターを使用し、各種有機分子の修飾により合成したCeO2ナノ粒子をご紹介いただきました。プロセス中で何が起こっているのかを、最新の解析技術を駆使し徹底的に検証されている研究例など、若手研究者に大いに刺激となるようなご講演をいただきました。
2件目の招待講演として、名古屋工業大学 前田 浩孝先生より、「表面設計に基づく環境調和材料の創製」と題してご講演いただきました(写真3)(写真4)。表面設計による環境負荷低減材料の研究例として、ガラス構造への酸素欠陥導入により超親水化が実現できることを、濡れ性の基礎から解説いただきました。また、汚染物質であるフミン質の新規吸着材料としてハイドロガーネットとゼオライトの複合化についてご紹介いただき、表面設計技術が水質浄化にどのように貢献しているのか分かりやすくご講演いただきました。
ノリタケカンパニーリミテドの企業紹介では、資料を使った概要紹介の後、若手技術者2名による企業での働き方の具体例の紹介や、技術者の本音も垣間見えるパネルディスカッションを実施しました(写真5)(写真6)。
本会の最後には、先に実施された2件の講演に対する学生さんの質問の中から、ご講演の先生方にベストディスカッション賞をそれぞれ1名ずつ選出していただき、表彰を行いました。質疑応答は、今回はオンライン開催ということでチャット質問に先生方が答えるという形式となりましたが、学生さんからレベルの高い多数の質問が寄せられ、大いに盛り上がりました。なお、受賞者の氏名と所属は、本報告の最後に記した通りです。
最後に本会が不慣れなオンライン開催でありながら、大きな問題もなく盛況のうちに終わったのも、講師をはじめ、オンライン参加者の皆様、現地でサポートしてくださった東海若手セラミスト懇話会委員の方々のご協力の賜物と心より感謝申し上げます。
講演: 招待講演1 | 質問者: 中村 鴻希 | 大学: 豊橋技術科学大学 |
講演: 招待講演2 | 質問者: 長谷川 涼香 | 大学: 新潟大学 |
(株)ノリタケカンパニーリミテド 山田祐貴
作成日時:2021年01月27日