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2022年6月17日(金)にZoomを利用したオンライン開催にて、第62回 東海若手セラミスト懇話会 2022年 夏期セミナーを開催いたしました。
今回は69名(学生40名、一般29名)に参加いただき、招待講演3件、学位論文紹介1件、海外報告1件、ポスター発表(学生25件、一般1件)が行われました。
以下,進行順に内容を報告いたします.
招待講演1件目は、東京理科大学の相見晃久先生より、「セラミック材料の合成とRietveld解析による結晶構造精密化」と題してご講演いただきました。セラミック材料の合成と結晶構造について基礎的な観点からのお話と、Rietveld解析のノウハウと自動化の試みについてお話しいただきました。解析技術の習得に時間がかかるRietveld解析について、各パラメーターの意味や、解析の際の注意点について丁寧に解説いただき、結晶構造解析に取り組む研究者の疑問点の解消につながる発表となっていました。
続く学位論文紹介では、名古屋工業大学の加藤邦彦先生より、「シングルモードマイクロ波により誘起される特異反応場を用いた材料表面設計」と題してご講演いただきました。マイクロ波の熱的非平衡反応場を駆使した酸化物表面欠陥形成やマイクロ波プラズマによる表面改質など、シングルモードマイクロ波の特異的な反応場を生かした、原子・分子スケールでの表面/界面制御技術についてご紹介いただきました。
招待講演2件目は、豊田中央研究所の矢野一久氏より、「単分散球状メソポーラスシリカの合成と応用」と題してご講演いただきました。単分散球状メソポーラスシリカの合成方法や単分散粒子が生成する理由、その応用先について説明いただきました。応用先として、単分散性を利用したフォトニック結晶、その構造規則性を利用した触媒、メソポーラスシリカを鋳型として合成したカーボンの二次電池負極材料等が紹介されました。それぞれの作製プロセスの奥深さから、学生さんから質問が多数でてきておりました。
招待講演3件目は、関西大学の内山弘章先生より、「自然に倣ったソフト溶液プロセスによる無機ナノ結晶材料の作製」と題してご講演いただきました。貝殻や真珠が作り出す、ナノスケールから成る精緻な構造を持つ無機物を合成する作用である、バイオミネラリゼーションを人工的に再現する取り組みについて、ご紹介いただきました。セルロースやゼラチン等のバイオポリマーの共存下で、溶液中でWO3ナノ構造体の作製をした例が紹介され、溶液のpHやバイオポリマーの濃度が、粒子内のナノ構造の制御に影響することが報告されました。
ポスター発表は26件の発表を2グループに分け,コアタイムを設定する形で進められました。セラミックス関連の研究として東海地方の大学、研究所および企業から多種多様な研究発表がなされ、それぞれのポスターの前で熱心な討論が行われました。なお、招待講演の講師の先生と参加者の投票により選ばれた優秀な発表に対して、最優秀発表賞(1件)、優秀発表賞(5件)が贈られました。受賞者氏名、所属と発表題目は、本報告の最後に記したとおりです。
最後に海外報告として、日本特殊陶業の茂木淳氏より、ブラジルに海外赴任された際の生活や仕事内容についてご報告していただきました。海外での生活や仕事に加えて、日本とは違った環境での苦労話や楽しい思い出など興味深い内容をお話しいただき、海外留学に挑戦したい学生さんや、企業に入って海外赴任する一般の方にとって、大変参考となる講演をいただきました。
閉会の折、最優秀発表賞、優秀発表賞とベストディスカッション賞の発表と表彰を行いました。表彰の受賞者は本報告の最後に記したとおりです。
コロナ禍の収束が不透明な中で、本会もオンライン開催となりました。この様な開催形式にも関わらず、特に大きな問題もなく盛況のうちに終えることできましたのも、講師の方々をはじめ、参加者の皆様、東海若手セラミスト懇話会委員の方々のご協力の賜物と、心より感謝申し上げます。この場をお借りして、今回のご参加の御礼を申し上げるとともに、次回以降もより多くの方々のご参加をいただけますよう、ご案内する次第です。
講演者 | 大学 | 題目 |
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講演者: 堀江 未來乃 | 大学: 名古屋工業大学 | 題目: 固体酸化物形燃料電池に用いる多孔質金属基板の焼結 |
講演者 | 大学 | 題目 |
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講演者: 長屋 勘太郎 | 大学: 名古屋工業大学 | 題目: フェライト-シリカエアロゲル複合多孔体の合成と評価 |
講演者: 橋見 拓人 | 大学: 名古屋工業大学 | 題目: SiO2-CaOゾルゲルガラスへのガリウムの導入効果 |
講演者: Ikari Aline Mika | 大学: 豊橋技術科学大学 | 題目: 多孔性酸化鉄膜の作製と6価クロム除去性能の評価 |
講演者: 寺口 海斗 | 大学: 豊橋技術科学大学 | 題目: 複合顆粒の組成比制御による傾斜材料の作製 |
講演者: 犬飼 和希 | 大学: 岐阜大学 | 題目: ルテニウム酸ナノシートの水溶液プロセスによるボトムアップ合成 |
講演 | 質問者 | 大学 |
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講演: 招待講演1 | 質問者: 榊原 雅也 | 大学: 東京大学 |
講演: 招待講演2 | 質問者: 藤城 克己 | 大学: 豊橋技術科学大学 |
講演: 招待講演3 | 質問者: 橋見 拓人 | 大学: 名古屋工業大学 |
文責:淺井健太 (日本特殊陶業(株)
作成日時:2022年8月5日