[東海若手セラミスト懇話会/第43回秋期講演会]
[日本セラミックス協会東海支部]
去る平成23年10月28日(金)、名古屋工業大学におきまして、第43回東海若手セラミスト懇話会2011年秋期講演会を開催致しました。(共催:日本セラミックス協会基礎科学部会、日本化学会)
今回は講演三件と意見交換会というプログラムで開催されました。まず招待講演として、名古屋工業大学 中山将伸先生より「セラミックス・ハイブリッド型ポリマー電解質を用いた全固体リチウムポリマー電池」と題してご講演いただきました。現在、二次電池の主流になりつつあるリチウムイオン電池の電解質に着目し、火災や人身事故を引き起こさない安全・安心なリチウムイオン電池の開発に向けた難燃性のポリマー型電解質やメソポーラスセラミックス材料とポリマーを複合化したハイブリッド型電解質に関する最近の研究成果を分かりやすくお話しいただきました(写真1)。二件目の招待講演として、物質・材料研究機構 山内悠輔先生より「新しいメソポーラス材料の合成と機能創発」と題してご講演いただきました。ご講演は、メソポーラス材料の合成プロセスの解説からはじまり、メソ多孔体の形態制御や新しいメソポーラス金属の合成など、山内先生が開発された新規かつユニークな合成方法を分かりやすくご説明いただくとともに、それら新規材料の応用についてもご紹介いただきました(写真2)。さらに若手セラミスト基金 国際セッションとして、産業技術総合研究所 申ウソク先生より「Development of electroceramics for sensor applications」と題してご講演をいただきました。セラミックス材料のVOCセンサーや水素センサーへの応用をご紹介いただくとともに、本当に使える材料を開発することの重要性についてお話しいただきました(写真3)。
講演の後は意見交換交流会を開催しました。大学、企業、研究機関の若手セラミスト達がにぎやかに議論、意見交換を交わしました。併せて、先に実施された三件の講演に対する学生さんの質問の中から、ベスト質問賞をそれぞれ1名ずつ選出し、表彰を行いました。ベスト質問賞は若手セラミストによる、より活発な議論を奨励するために毎年設けておりますが、今回も多数のレベルの高い、また興味深い質問がなされ、講師の先生方より高い評価を頂戴しました。次回以降も積極的な議論への参加を期待します。なお、受賞者の氏名と所属は、本報告の最後に記した通りです。
今回は大学、企業、研究機関などから63名の参加があり、その内、学生が42名参加しました。本会が盛況のうちに終わったのも、講師をはじめ、参加者の方々のご協力の賜物と心から感謝申し上げます。
招待講演1 | 川合 瑛 | (名古屋工業大学) |
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招待講演1 | 鳥越 充 | (豊橋技術科学大学) |
若手セラミスト国際セッション | 山口 恭平 | (名古屋工業大学) |
文責:名古屋工業大学 羽田 政明
写真1 |
写真2 |
写真3 |
2011年11月18日