光学系の調整(3)
スリットおよびゴニオメータ架台位置の調整
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標準試料台の設置
試料を測定する際には平板回転試料台またはキャピラリ回転試料台を用いますが,
架台位置やアナライザ結晶の調整の際には標準試料台を用います。
標準試料台はネジによりΘ軸に固定しますが,
取り付け穴のアソビの分だけ取り付け角度に自由度が残っています。
アソビの分はリング側から見て反時計回りに目一杯まわして固定してください。
2007年12月16日現在,
標準試料台は固定ネジのアソビの分低角側にずらして固定すれば
概ねΘ=0°位置で試料台基準面がビームと平行になることが確認されています。
(標準試料台には実験室の回折計と同じ試料ホルダを取り付けられますが,
実際の測定に使うのは特殊な場合に限られます。
軌道放射光は輝度も単色性も高いので,
回折条件を満たす結晶粒が実験室光源に比べて著しく限られたものになります。
通常の粉末回折法では結晶粒がランダムに配向していることを前提とするので,
ある程度結晶性の良い試料の測定では試料を回転させながら測定することが必要です。)

<標準試料台の設置>
入射スリット架台垂直位置の調整
(1) 入射スリットボックスに適切なスリット(幅 2.5 mm,高さ 0.05 mm)とアッテネータが挿入されていることを確認してください。
(参照:入射スリットとアッテネータの設置)
(2) スリットボックスと検出器の位置を確認します。
-
「Positioning」コントロールパネルを開きます.
-
「Two Theta」と「Slit Base」,使用する検出器に対応する「Analyzer」をチェックします。
-
「Two Theta Correction」が OFF になっていることを確認します。
-
[Read Position]ボタンをクリックします。
-
「Slit Base」の位置が -10 mm から -7 mm の範囲にあること,
「Analyzer」の角度が 1.7°になっていること,
「Two Theta」の値が使用する検出器に応じて適切な値になっていることを確認します。
(参照:アナライザの退避)
(3) スリットベーススキャンを実行します。
- 「Comment Editor」パネルに表示される内容を確認します。
-
「Scan Control」コントロールパネルを開きます.
-
「Scan Axis」ポップアップメニューから「Slit base」を選択し,「Start」,「Stop」,「Step」の値を入力します。
[coarse]ボタンまたは[fine]ボタンをクリックすれば,
現在位置を基準として適切なスキャン範囲と測定ステップが自動的に入力されます。
-
「Data Save & Plot」セクションで保存/表示するべきデータがチェックされていることを確認します。
-
「Scan Control」パネル上で計数時間 「Unit FT (s)」が 0.5,繰り返し回数「Repeat」が 1 となっていることを確認します。
-
タイマカウンタの計数時間(preset time)が 0.5 s になっていることを確認します。
(参照:計数時間の設定)
-
[Safe Scan]ボタンをクリックしてスキャン測定を開始します。
(4) スリットベース位置のデフォルト値を登録し,初期化を行います。
-
スリットベーススキャン強度曲線のグラフからピーク位置を求めます。
(参照:グラフからピーク位置を求めるには)
ピーク位置が -10 mm から -7 mm の範囲にあることを確認してください。
ピーク位置がはずれているときは BL-4B2 ビームライン分光集光光学系の調整が必要です。
-
「Initialize」コントロールパネルを開きます。
-
スリットベーススキャンの結果得られたピークの位置を「Slit Base」デフォルト値として入力し,
チェックボックスがチェックされた状態で[Initialize]ボタンをクリックします。
ゴニオメータ架台垂直位置の調整
(1) 入射スリットボックスに適切なスリット(幅 2.5 mm,高さ 0.05 mm)とアッテネータが挿入されていることを確認してください。
(参照:入射スリットとアッテネータの設置)
(2) スリット架台と検出器の位置,ゴニオベース架台の位置を確認します。
-
「Positioning」コントロールパネルを開きます.
-
「Two Theta」と「Theta」,「Slit Base」,「Gonio Base」,使用する検出器に対応する「Analyzer」をチェックします。
-
「Two Theta Correction」と「Theta Correction」が OFF になっていることを確認します。
-
[Read Position]ボタンをクリックします。
-
「Slit Base」の位置が -10 mm から -7 mm の範囲にあること,
「Gonio Base」の位置が -13 mm から -10 mm の範囲にあること,
「Analyzer」の角度が 1.7°になっていること,
「Theta」が 0°になっていること,
「Two Theta」の値が使用する検出器に応じて適切な値になっていることを確認します。
(参照:アナライザの退避)
(3) ゴニオメータに標準試料台を取り付け,
センタースリット(標準試料台用セッティング治具,0.05 mm)を設置します。

<標準試料台(左)へのセンタースリットの設置(右)>
(4) ゴニオベース粗スキャンを実行し,およそのピーク位置を求めます。
- 「Comment Editor」パネルに表示される内容を確認します。
- 「Scan Control」コントロールパネルを開きます.
- 「Scan Axis」ポップアップメニューから「Gonio Base」を選択し,「Start」,「Stop」,「Step」の値を入力します。
[coarse]ボタンをクリックすれば,
現在位置を基準として適切なスキャン範囲と測定ステップが自動的に入力されます。
-
「Data Save & Plot」セクションで保存/表示するべきデータがチェックされていることを確認します。
-
「Scan Control」パネル上で計数時間 「Unit FT (s)」が 0.5,繰り返し回数「Repeat」が 1 となっていることを確認します。
- タイマカウンタの計数時間(preset time)が 0.5 s になっていることを確認します。
(参照:計数時間の設定)
- [Safe Scan]ボタンをクリックしてスキャン測定を開始します。
- ゴニオベーススキャン強度曲線のグラフからピーク位置を求めます。
(参照:グラフからピーク位置を求めるには)
ピーク位置が -13 mm から -10 mm の範囲にあることを確認してください。
(5) ゴニオベース精スキャンを実行し,ピーク位置を確定します。
- 「Positioning」コントロールパネルを開きます。
- 「Gonio Base」をチェックして,粗スキャンで求めたピーク位置を入力します。
- [Positioning]ボタンをクリックしてゴニオベース位置を移動します。
- 「Scan Control」コントロールパネルを開きます。
- 「Scan Axis」ポップアップメニューから「Gonio Base」を選択し,「Start」,「Stop」,「Step」の値を入力します。
[fine]ボタンをクリックすれば,
現在位置を基準として適切なスキャン範囲と測定ステップが自動的に入力されます。
-
「Data Save & Plot」セクションで保存/表示するべきデータがチェックされていることを確認します。
-
「Scan Control」パネル上で計数時間 「Unit FT (s)」が 0.5,繰り返し回数「Repeat」が 1 となっていることを確認します。
- タイマカウンタの計数時間(preset time)が 0.5 s になっていることを確認します。
(参照:計数時間の設定)
- [Safe Scan]ボタンをクリックしてスキャン測定を開始します。
- ゴニオベーススキャン強度曲線のグラフからピーク位置を求めます。
(参照:グラフからピーク位置を求めるには)
ピーク位置が -13 mm から -10 mm の範囲にあることを確認してください。
(4) ゴニオベース位置のデフォルト値を登録し,初期化を行います。
-
ゴニオベーススキャン強度曲線のグラフからピーク位置を求めます。
(参照:グラフからピーク位置を求めるには)
-
「Initialize」コントロールパネルを開きます。
-
ゴニオベース精スキャンの結果得られたピークの位置を「Gonio Base」デフォルト値として入力し,
チェックボックスがチェックされた状態で[Initialize]ボタンをクリックします。
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2008年11月21日更新